まったり日々(?)のできごと

    日々感じたことを綴ります。 主に子育てとか通勤中に感じたこととか。 お出かけしたらその時の写真も載せるかも。

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     実家で聞いた話を一つ。
     このブログでも何度か書いていますが、私の実家は理容業、床屋を営んでいます。
     今ではポピュラーになったようですが、病気などで髪を切りに来るのが大変なお客さんの家に伺って
    散髪をするサービスをしていて、もうここ10年以上通っているお宅があります。
     以前は店まで散髪に来られていた方で、病気を患ってからはうちの親父がそちらのお宅に伺い、
    その方とよもやま話をしながら髪を切ると言うのが毎月の決まりで、その方も親父が来るのを楽しみに
    されていたようです。
     でもそれも数年くらい前までのこと。
     ここ数年はその方の病状が進み、もう親父が話しかけても反応が薄くなってきてしまっていたそうです。
     そして、先日のこと。
     いつものようにその方のお宅に伺い、いつものように髪を切り、いつものように帰ろうとした親父に
    ご家族の方がいつもとは違うことをおっしゃったそうです。

     「今までありがとうございました」と。
     「多分もう長くなくて、多分これが最後の散髪になるだろう」と。
     「毎月髪を切りにきてもらうのを、話ができるのをとてもうれしそうにしていた」と。
     「本当に感謝している」と。

     その時のご家族の方の心中が、それを聞いた親父の心中が幾ばくのものだったかは私にはわかりません。
     親父はあったことを、ああそうだそうだと思い出したように、淡々と話してくれました。
     私が、親父が十数年来その方のところへ通っているのを知っているから、なのかもしれません。
     家族にはお客さんの話を滅多にしない人ですから。

     出会いがあって別れがあっての60年弱の床屋としての日々の中で、親父の目は様々な人を
    見てきたんだと思います。
     子供の頃、店の手伝いをしていた時の様子が脳裏に蘇りました。
     髪を切ってもらいながら、何も言わない人、世間話に興じる人、ちょっとした相談をする人、
    お客さんは様々。
     親父はそのお客さんに合わせながら、時に寡黙に、時に聞き役になり、時に自分の経験を語る、
    そんな日々。
     それを積み重ねた五十数年。
     その中で今回の出来事は、親父にとってもちょっと特別なことだったのかもしれません。

     この方のことは、私にとっても割と特別なことで。
     10年以上前に書いたお話の基になったのがこの方の訪問散髪でした。
     これを書いたときは、まさかこんな日が来るなんて思ってもいなかった。
     でも、冷静に考えれば、いつか来るはずのその瞬間が訪れたわけです。
     お話の中の彼女は、同じ状況でなにを思うでしょうね。

     量産セリオSS 椎那日常シリーズ 「なみきみち」


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    ちひろ(ちびすけ父さん)

    Author:ちひろ(ちびすけ父さん)
    時にはDeepに時にはLightに、
    日々のよしなしごとを
    つらつらと。

    撮影機材は
    NikonD80(2007.06.17~)
    NikonD70(~2007.06.16)
    Nikon CoolpixS3

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